プロフィール
父から継いだ山口県の紳士服店を母体にユニクロを立ち上げ、ZARA・H&Mと並ぶ世界的なアパレル企業ファーストリテイリングへ育てた実業家。自らの経営を成功譚ではなく失敗の記録として語り、『一勝九敗』などの著書を残している。
1949年2月7日、山口県宇部市に生まれた。1971年に早稲田大学政治経済学部を卒業してジャスコ(現・イオン)に入社したが、一年と経たずに退社し、1972年、父・柳井等が営む紳士服店・小郡商事(現・ファーストリテイリング)に入る。地方の商店街にある一軒の店から始まったキャリアである。
1984年6月、広島市の袋町に「ユニーク・クロージング・ウェアハウス」——のちのユニクロ——の1号店を開いた。誰もが自由に手に取れる倉庫のような売り場で、品質の確かな普段着を手の届く価格で売る、という一点に絞った店だった。1991年には社名を小郡商事からファーストリテイリングへ改め、1990年代末のフリースの大ヒットで全国区の存在となる。以後もヒートテック、エアリズム、ウルトラライトダウンといった機能性素材の定番商品を次々に生み出し、ファーストリテイリングはZARA(インディテックス)やH&Mと並ぶ世界的なアパレル企業へと成長した。
柳井は自分の経営を、成功譚ではなく失敗の記録として語ってきた人である。自著『一勝九敗』(新潮社、2003年)はその代表で、新しい試みを十回始めれば九回は失敗するという前提に立ち、失敗を早く小さく済ませて次に賭け直すという経営を説いた。ほかに『現実を視よ』(PHP研究所、2012年)、『経営者になるためのノート』(PHP研究所、2015年)などの著書がある。日本を代表する資産家の一人としても知られ、現在もファーストリテイリングの代表取締役会長兼社長を務めている。