プロフィール
広島県出身の元陸上選手。400メートルハードルで世界陸上の銅メダルを2度獲得し、日本人として初めて世界大会の短距離種目でメダルを手にした。引退後は著述・研究・事業を手がける。
為末大は1978年5月3日、広島市佐伯区に生まれた。少年期から走ることに秀で、はじめは100メートルの短距離選手として頭角を現す。しかし世界の舞台に立ったとき、体格やパワーで海外の選手との大きな差を痛感し、力よりも技術と戦略が勝敗を分ける400メートルハードルへと転向した。広島県立広島皆実高校から法政大学経済学部へ進んだ。
その決断は実を結ぶ。2001年エドモントン世界陸上の男子400メートルハードルで、決勝47秒89の日本記録をマークして銅メダルを獲得。これは五輪・世界選手権を通じて日本人初となる短距離種目のメダルだった。2005年ヘルシンキ世界陸上でも再び銅メダルを手にし、シドニー(2000年)・アテネ(2004年)・北京(2008年)と3大会連続でオリンピックに出場した。「侍ハードラー」と呼ばれ、日本のトラック競技を長く牽引した。
2012年に現役を退いてからは、著述家・スポーツコメンテーター・研究者として活動の場を広げ、スポーツと社会をつなぐ会社Deportare Partnersを立ち上げた。競技人生で培った「努力」「勝敗」「諦め」への深い洞察を、平易な言葉で綴る書き手としても知られる。2013年刊行の『諦める力』をはじめとする著作は、スポーツの枠を越えて、目標に向き合うすべての人に読み継がれている。