プロフィール
将棋界で初めて七大タイトルの同時制覇(七冠独占)と永世七冠を成し遂げた棋士。史上最多クラスのタイトル獲得を重ね、勝負論・思考論の著作でも知られる。
羽生善治は1970年9月27日、埼玉県所沢市に生まれ、東京都八王子市で育った。6歳で将棋を覚え、小学生の頃から頭角を現す。1985年12月、中学3年生・15歳でプロ(四段)となり、史上3人目の「中学生棋士」として注目を集めた。派手さよりも、盤上のあらゆる可能性を丹念に読み切る粘り強さが、幼い頃からの持ち味だった。
19歳で初タイトルの竜王を獲得すると、以後は将棋界の第一人者として時代を築く。1996年2月14日には、竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖の七大タイトルすべてを同時に保持する「七冠独占」を史上初めて達成した。さらに2017年12月には、七つのタイトルすべてで永世称号の資格を得る「永世七冠」を、これも史上初めて成し遂げる。通算タイトル獲得数は歴代最多を数え、その記録は将棋の歴史を塗り替え続けた。
2018年には棋士として初めて国民栄誉賞を受章。2023年から2025年まで日本将棋連盟会長を務め、普及と後進の育成にも尽くした。コンピュータ将棋が急速に強くなった時代にも一線で戦い続け、『決断力』『大局観』などの著作を通じて、勝負の場で人がどう決断し、どう情熱を保ち続けるかを言葉にしてきた。その思索は将棋を知らない読者にも広く読まれ、棋士の枠を超えた影響を与えている。